不動産屋では自分の希望をそのまま伝えよう


不動産屋では自分の希望をそのまま伝えようブログ:08-1-2017


7年前に母親が、続いて3年前にお兄さんが亡くなった。

それまで自由気ままに
結婚もせず、遊びまわっていたあたくしも、
さすがに一人実家に残った病を抱えたパパを思い、
約20年ぶりに実家に帰った。

母親が健在の頃から、
ビールを浴びるように飲むお兄さんと親の仲は、
しっくりいかなかった。

そして母親がクモ膜化出血で倒れ、
約ふた月の闘病の末亡くなった後は、
パパとお兄さんの関係は修復しがたい程にこじれていった。

母親の死を自分のせいだと自らを責め続けるお兄さんには、
ビール以外に逃げ場が無かったのかもしれない。

酔っては暴言を吐き暴れるお兄さんを、
パパは悲しい目で見ていた。

そんな生活が災いして、お兄さんも亡くなった。
パパは「悲しいけれど、正直ホッとした」とあたくしに言った。

あたくしは、実家に戻りしばらくたってから、
母親が亡くなって以来そのままになっていた、
家の中の片付けを始めた。

そんなある日見付けた手紙の束の中に、
パパから母親にあてた手紙があり、
あたくしはパパに内緒でそっと開いてみた。

それはあたくしが生まれて間もなく、
パパが出稼ぎ先から出したものだった。

内容は
「たまにしか会わないので、
娘たちが自分の顔を見て泣きだしたのがショックだった」とか
「早く一緒に暮らしたい」とかたいした内容では無いのだけれど、
家族に対する愛情が溢れていた。

あたくしは涙が止まらなかった。
お兄さんが生きている間に、ひと目見せてやりたかったという気持ちで、
胸が一杯になった。

仏壇の隅にパパの目にふれぬようにそっと手紙を置き、
心の中で
「兄ちゃん、あたくしたちはこんなにも愛されて育ちましたよ」
とそっと呟いた。

そして、パパも昨年亡くなり、
あたくしは本当に一人きりになってしまった。

でもあたくしの前には、3人の写真が有り、
今も3人からの愛情を感じている。





川元誠一
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傘立て
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